研究内容

近年の塩基配列解読技術の革新により、生物のゲノム情報や遺伝子発現を迅速かつ網羅的に解析することが可能になった。これにより、単一の生物の代謝や機能のみならず、複雑な生物複合体の構成や、それらの生物間相互作用まで、生物の生き様を多角的に理解することが可能になってきた。環境生命情報学分野では、このような解析技術を基盤として、とりわけ熱帯・亜熱帯生物圏に特徴的な微生物を対象とした、生理、生態、生物間相互作用の理解を目的とした研究を推進している。当分野は理工学研究科・海洋自然科学専攻(博士前期)ならびに、海洋環境学専攻(博士後期)の大学院教育を担当し、主要研究テーマとして以下、1) -4) に挙げる課題に取り組んでいる。

  1. サンゴと共存する微生物群がサンゴの健康と環境適応にどのように寄与するのかを、野外調査・水槽実験および遺伝子解析により検討している。
  2. 沖縄県の主要水産物であるモズクに着目し、モズクの形態形成・生長および生育不良に関与する微生物の特定と、その機能の解明を試みている。
  3. 下水処理プロセス等に生息する嫌気性原生動物を収集し、それらが保持する共生体の多様性や宿主との相互関係についてゲノム情報から解析している。
  4. 沖縄の様々な環境から収集した微生物ライブラリーを研究資源として提供し、沖縄の微生物資源活用に向けた共同研究を推進している。
  • 沖縄近海の豊かなサンゴ礁。サンゴ礁生態系の形成・維持とサンゴの環境適応にはサンゴ内外に棲息するバクテリアの働きが重要であると考えられる。
    沖縄近海の豊かなサンゴ礁。サンゴ礁生態系の形成・維持とサンゴの環境適応にはサンゴ内外に棲息するバクテリアの働きが重要であると考えられる。
  • 養殖網に生えたモズク. 海藻の形態形成や生長には海藻に付随する微生物が重要な役割を果たすことが近年明らかとなってきた。
    養殖網に生えたモズク. 海藻の形態形成や生長には海藻に付随する微生物が重要な役割を果たすことが近年明らかとなってきた。
  • 沖縄県内の下水処理プロセスより新たに培養に成功した嫌気性繊毛虫GW7株。細胞内にメタン生成菌(白矢印)と機能未知の真正細菌共生体(黒矢印)の存在が確認された。
    沖縄県内の下水処理プロセスより新たに培養に成功した嫌気性繊毛虫GW7株。細胞内にメタン生成菌(白矢印)と機能未知の真正細菌共生体(黒矢印)の存在が確認された。

メンバー

役職 氏名
准教授 新里 尚也
助教 伊藤 通浩

キーワード