設置目的
21世紀はバイオの時代といわれるなか、バイオサイエンス研究の推進は、今やヒトを含む生物の生命現象の基本原理を明らかにするうえで必須の学問領域であるに止まらず、科学技術創造立国を標榜するわが国にとって新しいバイオ産業の創出に結びつくテクノロジーの進歩にとっても不可欠の領域として大きな社会的期待を担っている。特に亜熱帯沖縄は、希少種を含む他種多様な動植物が分布、生息する地域であることを特色としており、これら豊富な遺伝資源を有する沖縄は「バイオの宝箱」とも称される。
本研究センターは、亜熱帯沖縄の地域環境に由来する多様な生物資源を対象に、遺伝子レベルの研究を推進し、トロピカルバイオサイエンスの新領域を開拓するとともに、その成果を人々の健康や環境保全、そして地域におけるバイオ産業の創出に役立てることを目的としている。
また、その学部融合型の体制を活用した学際的研究教育を通じて、調和のとれた第一線のトロピカルバイオサイエンス研究者、教育者の育成を目指す。
もって、「地域特性と国際性を併せもつ琉球大学」という本学の基本理念を実践する中核研究施設としての役割を担う。
施設概要
本研究センターの建物は、旧遺伝子実験施設棟(1,500m2、平成6年3月竣工)と、センター化にともなって増築、新営された新実験研究棟(2,340m2、平成15年3月竣工)で構成されている。建物は大学キャンパス西側の小高い丘の上にあり、新研究実験棟(4階建て)は地盤段差を利用して2階フロアが旧棟(3階建て)の1階に直角に連結するかたちで増築された。新棟、旧棟は、各々をNorth Wing, South Wingと呼称している。South Wingは、従来通り主に学内共同利用施設としての機能を担っており、ここにはRI管理区域や共同利用のための実験室などが配置されている。一方、North Wingは、主にセンター専任教員の固有の研究スペースであり、管理室、教員研究室、大学院生研究室、共同実験室(オープン・ラボ)、実験測定室、動物飼育室などで構成されている。また、North Wingの4階には、P3レベルの実験区域が新たに設けられた。