研究内容
当分野では、国内外で食中毒菌として知られる志賀毒素産生性大腸菌(STEC O157:H7等、腸管出血性大腸菌とも呼ばれる)(図1)が産生する志賀毒素(Stx)に対するトキソイドワクチンと治療用モノクロナル抗体を開発している。
また、組換えタンパク質技術を用いて各種タンパク質発現系( 大腸菌、カイコなど)で、ウイルス様粒子(virus-like particle: VLP)によるウイルス感染症に対するワクチン開発も進めている。VLPはウイルスの外殻を持ち、ウイルスの遺伝物質を含まないため、非感性であり、かつ、実際のウイルスを使用した不活化ワクチンと同等のワクチン機能を有する。
以上の研究課題を含め、ワクチン並びに抗体医薬の研究開発を産学官連携で進めている。
教育面では、大学院医学研究科感染免疫制御学を担当している。
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図1. 志賀毒素産生性大腸菌に対するトキソイドワクチン開発
STECが産生するStxに対する試作トキソイドワクチンを評価した結果(Stx攻撃後のマウスの生存率) 、Stx2(2型志賀毒素)のB鎖のみ、5量体結束分子(COMP)との融合化が必須で、Stx1 (1型志賀毒素)のB鎖には不要であることが明らかになった。 -
図2. VLP電子顕微鏡写真
組換えタンパク質技術により感染症ウイルスのVLPを作製し、透過型電子顕微鏡で撮影した。天然のウイルスとほぼ同一の大きさで、かつ、大きさも均一であった。粒子内部にも染色液が入り、粒子中央部が黒くなっているものがあることから、粒子内部は中空になっていることが分かる。
メンバー
役職 | 氏名 |
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教授 | 新川 武 |
助教 | 玉城 志博 |