設立の背景

サンゴ礁に隣接する瀬底研究施設

熱帯生物圏研究センター瀬底研究施設は琉球大学理工学部附属臨海実験所として、1971年に設立されたのが始まりです。その後、熱帯海洋科学センター(学内共同教育研究施設)を経て、1994年に農学部附属熱帯農学研究施設(西表島)と統合して熱帯生物圏研究センター(全国共同利用施設)となりました。さらに2009年には、旧・熱帯生物圏研究センターと学内共同教育研究施設であった遺伝子実験センターを統合し、新・熱帯生物圏研究センターが発足し、2010年に文部科学大臣により、国立大学共同利用・共同研究拠点(熱帯生物圏における先端的環境生命科学共同研究拠点)に認定されました。瀬底研究施設ではサンゴを中心にサンゴ礁に生息する生物の生命機能を生理・生態面から研究し、共同利用・共同研究拠点である琉球大学熱帯生物圏研究センターの研究施設として、サンゴ礁研究の全国的および国際的な活動拠点となっています。

現在、サンゴ礁生物生態分類学分野サンゴ礁生物機能学分野(共にサンゴ礁生物科学部門)の2分野に教授3名と准教授2名が配置され、それぞれの専門分野について研究および拠点活動を行っています。

瀬底研究施設の教員は、琉球大学理工学研究科の教員を併任しており、前期博士課程(海洋自然科学専攻)と後期博士課程(海洋環境学専攻)の大学院生の研究指導も行っています。海外からの留学生も多く、国際色豊かな環境で、多くの学生が研究を行っています。

瀬底研究施設の利用状況

瀬底研究施設は、サンゴ礁フィールドに隣接する希少な研究環境を国内外の多くの学生や研究者に提供しています。2015年からの5年間の利用者数を見ると、学内(琉大)と学外(国内)の利用者数の年平均がいずれも約3000人となっています。また、学外(国外)の利用者数も多く、年平均で約600人となっています。

瀬底研究施設には外部利用者用の実験室や宿泊施設がありますが、ピーク時(6月から10月)には満杯になり、利用を制限する事態も発生します。利用希望の方は「利用案内」をお読みの上、早めに問い合わせください。

  瀬底研究施設の利用状況

国立大学共同利用・共同研究拠点としての研究活動

琉球大学熱帯生物圏研究センターは、国立大学共同利用・共同研究拠点「熱帯生物圏における先端的環境生命科学共同研究拠点」として文部科学大臣の認可を受け、国内唯一の亜熱帯気候帯に立地する研究拠点として国内外の研究者に研究環境を提供しています。また本センターは、熱帯・亜熱帯域における生物圏に関する共同研究を国内外の研究者と推進しています。

琉球大学熱帯生物圏研究センターに属する瀬底研究施設は、サンゴ礁に隣接する世界的にも希少な研究環境を有しており、サンゴ礁生物研究での国際的な活動拠点をめざしています。それらの目的で、共同研究・利用公募(毎年)を行っております。積極的なご応募をお待ちしております。

瀬底研究施設を見てみよう

瀬底研究施設のマップ

①管理棟:管理棟の入り口横に受付(事務室)。施設長室、実習室、セミナー室、宿泊室(個室:6部屋、4人部屋:8部屋)、キッチン、シャワー室など。すべての部屋にエアコンとインターネット用のLANを完備。②研究棟:常勤職員と客員研究員の居室と研究室、院生室、図書館、顕微鏡室など。③共同研究棟:共同利用機器室、生理学実験室、生態学実験室、組織学実験室、遺伝子実験室1-3、学生研究室、ラウンジなど。④客員宿舎:家族向け宿泊施設(2部屋)。⑤実験水槽棟:天然海水を用いた飼育や実験を行う施設。⑥大型水槽:実験水槽棟内に備わる大型水槽。⑦グラスハウス:実験水槽棟の屋上に設置されたグラスハウス。自然光と天然海水を用いて飼育や実験を行う施設。⑧野外飼育場:天然海水を用いた野外飼育施設。⑨艇庫:ボートやフィールド研究用の機材を納める。⑩実験飼育棟:天然海水を用いた実験や飼育を行う施設。⑪サンゴ礁フィールド:研究以外の立ち入りを制限した区域を設る。

主要設備および共用機器

船舶

ユーフィリア(FRPボート8.89m、定員19名;GPS魚群探知機、電動捲揚機)、ベレラ(FRPボート4.68m、定員4名)

ユーフィリア

飼育設備

コンクリート飼育水槽(屋外:180t;1基、45t;4基、12t;3基、屋内:0.2~2.5t;20基)、海水揚水ポンプ(水中7.5+3.5Kw、陸上3.5Kw交互)、エアブロア(3.5Kw)

野外調査用

水中照度計、光量子計(水中・気中センサー)、電気伝導度・塩分計、屈折塩分計、多項目水質計、ナンセン転倒採水器、転倒温度計、バンドン採水器、水中ビデオ撮影装置一式、稚魚ネット、プランクトンネット(20、100、150、315mm)、小型SMドレッジ、簡易ドレッジ、土壌分析ふるい・振とう装置一式、GPS魚群探知機、携帯用GPS、携帯用超音波測深機、エアボンベ、コンプレッサー

生理生化学・分子生物学用

化学天秤、分析天秤、ミクロ電子天秤、pHメーター、ホモジナイザー、超音波分散機、浸透圧計、クロールメーター、紫外可視分光光度計、原子吸光分光光度計、凍結乾燥機、マッフル炉、乾燥器、超遠心器、冷却高速遠心器、卓上遠心器、純水製造器、オートクレーブ、乾熱滅菌器、クリーンベンチ、恒温器、低温恒温器、ディープフリーザー(-80、-40、-20℃)、マルチガスインキュウベーター、人工気象器、マイクロプレートリーダー、電気泳動装置一式、HPLC、FPLC、ペプチド合成機、プロテインシークエンサー、DNAシークエンサー、PCR、DELFIA、クロロフィル蛍光測定装置(PAM-2000、Mini-PAM)、蛍光型酸素測定装置、自動セルカウンター

組織形態学実験用

自動固定包埋機、パラフィン溶融器、バラフィン伸展器、ミクロトーム、凍結切片作成装置、硬組織切片作成装置、生物顕微鏡、実体顕微鏡、蛍光顕微鏡、位相差顕微鏡、顕微鏡写真撮影装置、顕微鏡用CCDカメラ、マクロ写真撮影装置、万能投影機、走査型電子顕微鏡および標本作製機器一式、共焦点レーザースキャン顕微鏡

その他

コンピューター(WindowsおよびMacintosh)、プリンター(カラーレーザー、モノクロレーザーおよびB0大判)、スキャナー、複写台、写真引き伸ばし器、コピー機、スライドプロジェクター、OHPプロジェクター、ビデオプロジェクター、卓上ボール盤、卓上糸のこ、電動カッター、ジグソー、電動ドリル、電動グラインダー、携帯用発電機、アーク溶接機